投打がかみ合い、今季初めての5連勝!
★打撃で目立った外野手三人衆
先制弾の福留孝介
この日、対戦の先発投手は初物となる田川賢吾。
タイガースが苦手をする初物の出鼻を挫いたのが、ベテラン福留である。
1回1死一塁にて、2球目の高めのスライダーを強振した打球は、打った瞬間に確信。
右翼席上段まで届く先制8号2ランとなった。
「初対戦の相手なので、甘いボールは見逃さない意識のなかでしっかり仕留めることができました」。
連勝の流れを加速させる一撃だ。
意気盛んな42歳の勢いは止まらない。
4回は先頭で高め速球を左前へ。
これが起点となって、この回は5長短打4得点の逆転を呼び込んだ。
5回には右中間二塁打を放ち、三塁打が出れば自身3度目のサイクル安打に王手をかけた。
残念ながら7回のこの日の最終打席は、惜しくも空振り三振に倒れた。
「この球場じゃ無理だよ。足が切れるよ」と冗談を飛ばすのも好調の証しだ。
勝負強さ発揮の高山俊
1点を追う4回。
先頭の福留が左前打、続くマルテは右前打で、糸原も左前へ運んで無死満塁のチャンスが生まれた。
大山は空振り三振に倒れ、一死満塁で打席に向かったのが、7番・高山である。
ヤクルト先発・田川が投じた1ボールからの2球目、外角低め134キロフォークに反応し、しぶとく食らいついた打球は中堅後方への2点適時二塁打となった。
高山の3試合ぶりの打点により試合をひっくり返した。
「チームの流れに乗って打つことができました。まだ試合は続くので、2本3本と打てるように頑張ります」と目の前のチャンスを生かした。
驚異の新人、近本光司
近本は今季129安打目、球団新人の安打数で歴代3位に躍り出た。
前日23日に、2001年赤星の球団3位の128安打に並んでいたが、あっさりと抜き去った格好である。
この日は第4打席まで快音なしだったが、九回の第5打席で快音を響かせたた。
2死走者なし、カウント3-1からの5球目、145キロ直球を振り抜いた打球は左中間を抜け、2塁打に。
次のターゲットまでは「6」本。
98年の坪井の球団新人歴代2位の135安打である。
この勢いのある若トラには通過点の一つでしかない。
絶好調な中継ぎ陣
この日先発の西は5回7安打4失点といまいちパッとしなかったが、能見-岩崎-ジョンソン-藤川と繋いだ中継ぎ、抑え陣により、確実に勝利をつかみ取った。
圧巻の岩崎優
恐るべし“無双左腕”である。
3点リードの7回に登板。
先頭・山崎を1球で三飛に打ち取ると、太田は3球で三ゴロ。
最後は青木を左飛とわずか6球でいとも簡単に3つのアウトを奪う“秒殺”の3人斬りで流れを引き寄せた。。
この夜の快投で14試合連続無失点、防御率も0点台。
勝利の方程式の一角を担う左腕は「明日も頑張ります。1日、1日やっていく」と表情を変えることなく、帰りのバスに乗り込んだ。
抜群の安定感のジョンソン
阪神は8回に登板したジョンソン投手が、1安打されたが、2奪三振など相変わらずの安定感で無失点。
「これだけ好調のチームの一駒になれているのがすごくうれしい。この調子を続けていきたい」。
リーグトップの36ホールド目をマークした絶好調な助っ人も今季初のチーム5連勝にご満悦の様子だった。
今日の順位
4位の矢野阪神
3位・DeNAとは2・5差。
逆転でのクライマックスシリーズ(CS)進出も完全に射程圏にとらえた。
「もちろんそれは俺らもあきらめるつもりは何もない。結果は出さなアカンし、プロだから目指すけど、今の野球をしっかりやることしか俺らにはできないんで。この連勝をずっと続けていきたい」と指揮官は手応えをつかんでいた。