2年ぶりのCS進出が遠のく1敗になった。
先発の高橋遥は自己最短となるまさかの4回KOで、3位・広島との直接対決に３－６と敗れ、ゲーム差は3・5に広がった。
泣いた先発・高橋遥人
3位・広島と2・5ゲーム差で迎えた直接対決3連戦の初戦。
勝ちが求められる一戦を託されたのは、高橋遥人。
しかし、期待に応えられず予想外に崩れてしまった。
2回に会沢に先制ソロを許すと、3回は6安打を集中され8月2、9日の広島戦に次ぐ1イニング5失点。
8安打6失点でプロ入り後、自己最短となる4回でKOされた。
この日、反省すべきは3回1死一塁からのプレー。
西川の力ない一塁方向へのゴロを取りにいったが捕球できず。
一塁・マルテがとったものの一塁ベースカバーにも入れず内野安打となって一、二塁とピンチ拡大。
ここから4本の適時打を浴びた。
ベンチに戻ると福原投手コーチらから厳しい口調で指導を受け、涙を流すひと幕もあった。
仮にマルテが一塁に送球していてもアウトにできたかは微妙。
ただ、矢野監督は
「ベースカバーにいかないとか、それはチームとしてもう…（ダメ）。
凡打でも“一生懸命走ろうぜって”と春からずっとやってきて、やり切ってんのに。
そういうのをやっていないっていうのは。
大事な試合でそういうことっていうのは俺は残念。
それを伝えた」
と当たり前のプレーができなかったことに怒りを覚えた。
5点を奪われ、なおも1死一、三塁では堂林の投ゴロで本塁を狙った三塁走者の挟殺が遅れるなど投球以外でも精彩を欠いた。
高橋遥人からは
「悔しいのは悔しいですけど、打たれる以前にやることをしっかりできていなかった。
投げる以前の問題だと思う。
チームが勢いづいてきたところでこういう投球をしてしまって情けない試合に出ている以上やっていかなければと思います」と最後まで反省の言葉が並んだ。
打の若虎は？？
気を吐く近本光司！
３位広島に痛すぎる敗戦だったが、唯一気を吐いたのが、近本だった。
２番とか１番とか関係なく、塁に出て相手にプレッシャーをかけることができた。後ろにつなぐことができました」
前日５日のＤｅＮＡ戦（横浜）、高山を超えるシーズン安打の球団新人記録を更新。
１３７安打目を放ち、チームを快勝に導いた。
勢いそのままに広島に乗り込んだ広島。
まずは一回１死、右翼線を破る二塁打で出塁。
後続こそ倒れたが、チーム初安打で口火を切った。
六回１死一塁でも一、二塁間を破る右前打で、一挙３得点を演出した。
５試合連続安打で今季３９度目のマルチ安打。
坪井智哉が持つ球団新人記録にあと「１」にまで迫った。
これで今季１３９安打となり、１９５９年の江藤慎一（中日）と並び、セ・リーグ新人４位タイとなった。
長嶋茂雄（巨人）が同年に記録したリーグ記録の１５３本まで、残り１４本。
残り１７試合を考えても、十分、射程圏だ。虎を勝たせる１本が、近本を偉業へと押し上げていく。
「あした、あさっては何としても勝たないと。
自分の結果よりも、しっかり勝てるように。そっちの方を重視していきたいと思います」
止まった木浪聖也！
「明日、頑張ります」
そう語るしかなかった。
木浪聖也は5日のDeNA戦まで連続試合安打の球団新人タイ記録の13試合まで続けてきた連続安打が止まった。
この日の広島戦では、先発・九里の前に翻弄（ほんろう）され、4打数無安打。
初回は緩いカーブに手を出し遊ゴロ。
3回1死一塁では145キロ直球にバットが空を切り、先頭で臨んだ6回はシュート系の球種で遊ゴロに打ち取られた。
記録継続がかかった最終第4打席は3点を追う7回1死二塁の好機。
追い上げムードの中、存在感を発揮したいところだったが、外角低めチェンジアップを逆方向に打ち返した左翼への飛球はファウルゾーンで長野のグラブに収まった。
ドラフト制以降の球団新人最長記録を打ち立てることは、できなかった。
残念ではあったが、この期間に背番号0の存在感を示すことができた。
連続試合安打を継続していた直近13試合は57打数25安打、打率・439を誇り、その間はチームも8勝5敗。
1番に定着した背番号0のバットは、チームの勝敗にも関わる。
危機回避、そして逆転CS進出には、木浪の再発進が絶対に必要だ。
何があったのか？ソラーテ
この日の試合前、昇格予定で広島入りしたソラーテが、モチベーションが上がらないことを理由に帰阪した。
舞台裏でそんなドタバタ劇が行われては、ナインの士気も上がろうはずがない。
高橋遥人も、木浪聖也も、、この日精彩を欠いた若虎たち、まったく影響しなかった……とは考えにくい。
今日の順位
４位の矢野阪神
3位・広島との直接対決に敗れ、ゲーム差は3・5に広がった。
7日も敗れることがあれば、自力でのCS進出の可能性が消滅する。
もう負けられない！
